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大阪地方裁判所 平成4年(ワ)2656号 判決

大阪府堺市〈以下省略〉

原告

右訴訟代理人弁護士

櫛田寛一

東京都中央区〈以下省略〉

被告

野村證券株式会社

右代表者代表取締役

右訴訟代理人弁護士

辰野久夫

主文

一  被告は、原告に対し、金一一六四万一〇四二円及びうち金一〇六四万一〇四二円に対する平成二年一二月二六日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は、六分し、その五を原告の、その余を被告の負担とする。

四  この判決は、一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求(主位的請求・不法行為-民法七〇九条、七一五条-に基づく損害賠償請求、予備的請求・不当利得-民法七〇三条-に基づく請求)

被告は、原告に対し、金六三四九万四九二五円及び内金六一〇九万四九二五円に対する平成二年一二月二六日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要等

一  事案の概要

本件は、原告が被告それ自体の組織的行為ないし被告の従業員であるB(以下「B」という。)、そして、同人の後を受けて原告の担当となったC(枚方支店の営業課長)らの違法な株式投資勧誘行為により多大な損害を被ったとして、主位的に不法行為に基づきその被った損害の賠償を求め、予備的に同被った損害に相当する金額について不当利得に基づきその返還を求める事案である。

二  当事者間に争いがない事実及び証拠(甲二四、乙一ないし三、証人B、原告本人)によって容易に認められる事実

1  原告は、昭和四年生まれの男性で、他方、被告は、証券業を営む株式会社である。

2  原告は、昭和六三年四、五月当時、株式投資に興味を持ち、始めてみようと思っていたところ、従兄弟の××××(以下「××」という。)から同人の娘婿で当時、被告枚方支店に勤務していたBの紹介を受け、その後同人から株式を含む有価証券取引について話を聞き、昭和六三年五月二五日の三菱重工株(一万株)及び三菱製鋼株(五〇〇〇株)の買い付けをかわきりとして被告との取引をするようになった。

原告は、昭和六三年八月一八日の石川島播磨株(五〇〇〇株)の取引をかわきりとして、被告を通じて株式の信用取引も行うようになった。

3  別紙取引一覧表(以下「取引一覧表」という。)記載の取引が被告を通じて原告名義でなされている。

4  本件取引のうち、昭和六三年五月二五日から平成元年五月一二日までの取引(B関与分)の手数料合計は、一二五四万三五五八円であり、本件取引全体の手数料合計は、一三八四万一二九三円である。

三  争点

1  本件取引は、違法な回転売買及び過当取引であったか。

(原告の主張)

(1) 証券会社ないしその外務員が顧客に勧誘するにあたっては、顧客の財産状態や経験その他の事情に適合した取引となるよう配慮しなければならない。頻繁に他銘柄へ乗換を行わせるなど、顧客の資金、能力、性格を無視した勧誘は許されない(適合性の原則)。

(2) 原告は、被告を通した売り・買い(現物・信用取引)を合わせて一一二回も行っている。特に、Bが担当していた昭和六三年五月から平成元年四月までの約一一か月の間に九一回も取引をしている。

右取引のうち、最初の三菱重工株の取引のみが、原告の発意に基づくものであって、それ以外は、BやCの勧誘に基づくものである。原告は、本件で初めて株式の取引を始めたに過ぎず、証券取引の経験がほとんどなく、被告ないしBを信頼し、同人らの言うがままに老後の生計資金を注ぎ込んで本件の取引を行ったものである。

(3) 本件取引は、売り直し、買い直しの乗換えがほとんどで、即日の売り直し、買い直しも右九一回(B関与分)のうち七八回と八五パーセントにも上っている。

(4) 被告は、原告が被告との間で取引を開始した昭和六三年五月から平成三年三月までの間に一三八四万一二九三円の手数料を得ている。同金額は、原告が出捐を余儀無くされた六一八四万八八九五円の約二二パーセントにも上っている。

(5) ところで、次の買付にあたって、どの銘柄をいくら売却してその財源にあてるか、財源不足を現金で送金するか、それとも預け金又は信用取引委託保証金を取り崩してあてるか、そして、売り付けについて何を売るか、どれくらいで売るかなど本件取引における重要な判断・決定を被告ないしその担当者のB、Cが行った。原告は、事後の報告を受けるか、仮に、事前に受けても簡単な連絡程度であった。

(6) 被告ないしBには、原告に損害を加える意図があったものである。

(7) 少なくとも、被告の原告に対する右過当な取引への勧誘は、適合性原則に違反する行為(「投資者本位の営業姿勢の徹底について」と題する通達(以下「投資者本位通達」という。)一項(1)ないし(3))であって、同通達四項ロ(「短期間に他の有価証券への乗換えを行わせる等投資者の能力、資金等を無視した過当勧誘を行うこと」を禁止)にも違反している。

また、投資者本位通達二項で、信用取引の過度の利用を自粛することが要請されているが、本件においては、信用取引をフル回転させ、過度の利用を原告に行わせるなど、それにも違反している。

被告の右過当な取引の勧誘は、違法である。

(被告の主張)

(1) 本件取引は、主としてBが原告に対し、具体的銘柄を挙げてその勧誘を行ったものであるが、原告は、Bとの間で頻繁に連絡を取り合い、株価の動きや相場の状況をみながら同取引を行った。Bが一方的に原告の取引を主導したものではなく、また、事後にその承諾を求めたということもない。原告は、新聞その他によって、株価の動きを自ら良く把握、理解し、そして、Bの説明をよく聞き、自らも質問をし、その意思決定をしていた。

(2) 被告は、原告との個別の取引が成立した場合、その取引の具体的内容を明記した「売買報告書(取引報告書)」(乙一一、一二)を原告に郵送し、さらに、原告との昭和六三年八月二〇日付け覚書(乙九)に基づき、同年九月以降、毎月一ないし二回、その間の取引の明細及びそのときの預かり証券などの明細が記載された「月次報告書」(乙一三)も原告に郵送している。右月次報告書には、「回答書」(乙一四)が同封されているところ、それの送付を受けた顧客は、月次報告書の記載内容を確認した後、回答書に署名捺印して、被告に返送することになっている。

原告は、右書類をすべて受領し、本件取引に何らの異議をのべることもなく、右回答書に署名捺印をして、被告に返送している。

(3) また、Bは、枚方支店から他に転勤するにあたって、原告を訪問した。その際、原告から署名捺印をしてもらったうえで承諾書(当時同人が保有していた証券が記載されたもの)を受領しているが、原告は、その署名捺印ないし交付を行うにあたっても何らの異議も述べていない。

(4) 被告及び被告の従業員であるB、Cらは、何ら違法な行為を行っていない。

2  推奨販売の違法性の有無

(原告の主張)

(1) 推奨販売(特定の銘柄を証券会社が一定期間継続して顧客に売り込むこと)は、①証券会社が顧客の犠牲において自己の利益を優先する危険性が有り、②証券会社によって株価操作が行われる危険性が存在することから証券取引法(以下「法」という。)五〇条一項五号、証券会社の健全性の準則等に関する省令(以下「健全性省令」という。)三条六、七号、投資者本位通達1(1)、証券業協会の投資勧誘・顧客管理等に関する規則(以下「投資勧誘規則」という。)七条二項により禁止されている。

(2) しかし、Bら被告の従業員は、被告が営業方針として当時、シナリオ相場としてウォータフロント計画関連株等を描いていたところ、それに関連するものとして三菱製鋼株を、更に、石川島播磨株を被告の都合にしたがって原告に繰り返し売り買いを推奨し、同取引をさせた。

そして、右取引の推奨にあたって、Bら被告の従業員は、原告に対し、被告から出る情報が確実であると強調し、また、執拗かつ強引に勧誘を繰り返した。

(被告の主張)

Bは、具体的銘柄を勧誘するにあたっては、必ず、その時における原告の保有株式の状況と一般的な相場環境について説明をし、原告の判断を得たうえで原告委託の売買の執行をしてきた。

三菱製鋼株についても、それがウォーターフロント計画関連の再開発で注目されていたこと、含み資産が多いこと、業績も回復していることなどを説明したうえで勧誘をしている。

3  信用取引の説明不足の有無

(原告の主張)

(1) 投資者本位通達一項(3)によると、信用取引を勧誘するにあたっては、「投資知識・経験・資力に関し、現金取引以上に慎重にしなければならない」こととなっている。

(2) しかし、本件において、Bは、原告が信用取引を始める前に、それの取引の危険性について説明をしていない。Bが、仮にそれについて何らかの行為をしたとしても、それは、それについての説明書を原告に送付し、電話でよく読んでおいて下さいと述べた程度に過ぎず、到底説明をしたとは言えないものである。

(被告の主張)

Bは、原告に対し、信用取引を始める前に、その仕組みを説明し、さらに「信用取引のしおり」(乙一八)を郵送し、「信用取引口座設定約諾書」(乙三)に原告の署名捺印を得ている。

原告の本件取引における信用取引には、何らの問題もない。

4  無断売買・事後承諾の押し付けの有無

(原告の主張)

(1) 顧客の意思を無視したいわゆる無断売買が許されないことはいうまでもない。証券会社ないしその従業員が顧客に無断で売買をした後で同取引の事後承諾を押し付けることも投資者本位通達4(11)により禁止されている。

(2)① Bは、次々と原告に無断で株式などの買い付けと売り処分を繰り返し、原告にそれの事後承諾を強いた。もしくは、それを騙しとった。

② とくに、一一月七日から同月一三日までの取引は、無断売買であることが明らかである。

当時、原告は、弟の葬式のため、高知に行き、それを取り仕切っていたものであるのに、その最中に原告が電話で株式の取引を委託することなどありえない。

(被告の主張)

Bが原告に無断で株式などの買い付けと売り処分をおこなったことはない。原告の取引は、すべて同人の意思に基づいて行われている。

特に、原告が高知に滞在していた一一月七日から同月一三日までの取引においても原告の電話による委託に基づいて行ったものである。

仮に、Bが原告に無断で株式などの取引を行っていたとしても、原告は、取引報告書、月次報告書、回答書、承認書などによって本件取引の具体的内容を確認、承認し、それに対して何らの異議を述べていないことからして、同取引を追認している。

また、Bらは、原告に事後承諾を強いたことはない。

5  一任売買とそれの押し付けの有無

(原告の主張)

(1) 本件の原告の取引のうち、最初の三菱重工株の取引のみが、原告の発意に基づくものであって、それ以外は、BやCらに対する一任売買である。原告が一任としたのは、Bらの押し付けに基づくものである。

(2) Bらの右行為は、投資者本位通達四項イの手続きを経ていない一任売買であって、違法である。

(被告の主張)

本件取引にあたって、原告は、Bとの間で頻繁に連絡を取り合い、株価の動きや相場の状況をみながら同取引を行った。Bが一方的に原告の取引を主導したものではなく、また、事後にその承諾を求めたということもない。原告は、新聞その他によって、株価の動きを自ら良く把握、理解し、そして、Bの説明をよく聞き、自らも質問をし、その意思決定をしていた。

6  断定的判断の提供の有無

(原告の主張)

(1) 証券会社ないしその従業員が顧客に株価変動に対する断定的判断の提供をすることは法五〇条一項一号により禁止されている。

(2) しかし、Bら被告の従業員は、原告の多数回にわたる株式の買い付けの勧誘において、繰り返し値上がり確実との断定的判断の提供をした。

(被告の主張)

Bら被告の原告に対する担当者は、原告に対して株式取引の勧誘を行うにあたって、株価変動に対する断定的判断の提供をしたことはない。

第三当裁判所の判断

一  前記第二の二の事実及び証拠(甲二五ないし二八、三一、四三、乙五ないし一五、一六・一七の各1・2、一八、証人B-但し、同人の平成六年一月二八日付け調書を以下「B調書①」と、同年九月二日付け調書を以下「B調書②」と、同年一一月四日付け調書を以下「B調書③」という-、原告本人-但し、同人の平成五年一〇月二九日付け調書を以下「原告調書①」と、同年一一月二六日付け調書を以下「原告調書②」と、平成六年四月一八日付け調書を以下「原告調書③」と、同年五月二〇日付け調書を以下「原告調書④」と、同年七月一日付け調書を以下「原告調書⑤」という-、)によれば、以下の事実が認められる。

1  原告は、本件取引を始めるまで株式取引(現物・信用を含めて)をしたことがなかったが、テレビなどの情報や被告以外の証券会社などの勧誘もあって、その取引を思い立ち、Bを通じて昭和六三年五月二五日から被告と取引をするようになった。同日の取引額は、一六〇〇万円と、そして、同月二八日には、更に一二七〇万円あまり投入するなど本件取引は、最初から高額な取引となっていた。

本件取引は、主としてB、Cら被告の従業員が原告に対し、具体的銘柄を挙げてその勧誘を行ない、それを受けて同取引が行われたものであるが、右取引を始めるに当たって、原告は、Bが被告枚方支店の営業課長で、また、従兄弟の娘婿で、その従兄弟から紹介を受けたこともあって、Bを信頼し、少なくとも、自己に対して悪いことをすることはないと思っていた。

なお、Bは、枚方支店から他へ転勤をした平成元年五月末ころまで本件取引に関与していた。その後は、同人の後を引き継いだ枚方支店営業課長のCが同取引に関与するようになった。

2  原告は、最初の取引の際、Bに対し、自ら三菱重工株の購入を申し出た。

Bは、右申し出に対し、それの購入を確認するとともに、当時、被告がその販売を推奨(甲二八、四三)していた三菱製鋼株の購入を勧誘した。同勧誘に当たっては、三菱製鋼が東京ウォーターフロント計画関連で再開発の関連で注目が集まっていること、そして、含み資産が多く、その業績も回復していることなどの説明をした。

3  Bは、原告に対する株式取引の勧誘を含めた連絡は、主として電話で行っていた。他方、原告も購入株式の価格がどんどん下がった場合、どうしてこうなるのか、造船不況なのに石川島播磨株を購入しても大丈夫なのかなどの苦情を言ったり(原告調書①三八、四〇、五六ないし五九項)、また、相場の状況などを聞いたりするために、自らBに何度も電話を掛けたりしていた(甲二六・昭和六三年五月一九日から同年一二月二四日までの原告の日記、六月三〇日欄、七月一二日欄、同月一八日欄(但し、Bは、東京出張中)、同月一九日欄、八月一〇日欄、同月一二日欄、一〇月五日欄、一一月三日欄、同月三〇日欄)。

原告は、株式の相場状況や株価に関する情報について、原告を担当していたBやCらからの情報の他、自ら新聞やテレビなどを見て、それを収拾し、その購入した株式の株価については、値上がり・値下がりの状況も含めてほぼ正確に認識をし、そのうえでそれに対してどのようにしたらよいか考えていた。

たとえば、原告は、昭和六三年七月一五日の三菱製鋼株を売却し、同日に直ちに同株式を買ったことに疑問を持ったり(甲二六の同日欄、原告調書①四三ないし四五項)、同月一八日には、自身の気持ちとして三菱製鋼株の売りの判断を持ち(甲二六の同日欄)、翌一九日にBにその気持ちを伝えたり(甲二六の同日欄、取引一覧表番号8参照)、また、自己の意思で川崎製鉄株の売りを申し出て売ったりした(甲二六の一二月二四日欄・昭和六三年一二月二六日の売却分)。

4  Bは、昭和六三年八月初旬ころ、原告に対し、それまでの原告の取引状況を踏まえて信用取引を行うことを勧誘した。その勧誘に際して「信用取引のしおり」(乙一八)と題するパンフレットとともに、信用取引口座設定約諾書を同取引開始前に送付した(原告調書①六八項、同調書④六九項、七五ないし八八項)、B調書②二二四ないし二三〇項)。原告は、Bの勧誘もあって、被告において信用取引を行うことを充分認識し(甲二六の八月一七日欄)、同月一七日、同約諾書に署名捺印をしたうえ、被告に同書面(乙三)を返送している。

ところで、右信用取引のしおりには、信用取引の仕組み、ルールなどが大きな字でその骨子のみがわかりやすく記載されている。

なお、原告が信用取引を始めた当時におけるそれまでの原告の取引における損益であるが、およそ七〇〇万円位の利益が出ていた。

5  被告は、原告との個別の取引が成立した場合、それから間もない時期にその取引の銘柄・数量・単価・手数料・清算金額など具体的内容が記載された「売買報告書(取引報告書)(乙一一、一二)を原告に郵送している。さらに、原告との昭和六三年八月二〇日付け覚書(乙九)に基づき、同年九月以降、毎月一ないし二回、その間の売り・買い(数量、代金を含めて)、信用・現物の別など取引の明細及びそのときに被告において預かっていた預かり証券、預かり金額などの明細が記載された「月次報告書」(乙一三)も原告に郵送している。ところで、右月次報告書には、それと同じ内容(取引明細、預かり金など)が記載された「回答書」(乙一四)が同封されているところ、それの送付を受けた顧客は、月次報告書の記載内容を確認したうえで、それに相違がなければ、回答書に署名捺印して、被告に返送することになっている。

原告は、右書類をすべて受領し、本件取引に何らの異議を述べることもなく、右回答書に署名捺印をして、被告に返送している。

また、Bは、枚方支店から他に転勤する直前に原告を訪問した。その際、原告から署名捺印をしてもらったうえで承諾書(当時同人が保有していた証券が記載されたもの)(乙五)を受領しているが、原告は、その署名捺印ないし交付を行うにあたってもBに何らの異議も述べていない。

6  原告は、昭和六三年一一月七日、弟の葬式のため高知に行き、そこに一三日まで滞在した(甲二六の一一月七日ないし一二日の欄、三一の一三、一四日の欄、原告調書⑤一五四ないし二六六項)。その間の一一月八日、一〇日、一一日にも取引一覧表のとおりの取引がなされている。

右取引についても、それから間もない時期に被告から取引報告書が送付され、また、月次報告書も原告に送付されている。原告は、特にBに苦情を述べたりすることもなくその間の取引についても、署名捺印をしたうえ同報告書の記載内容に相違ない旨の回答書を被告に返送している(乙一六、一七の各1、2)。

7  本件取引においては、原告が被告に対して現実に支払った金額は、合計で六一八四万八九五六円にのぼる。他方、原告が被告からその取引の現実の利益として被告から出金を受けた額は、別紙回転売買一覧表記載(以下「回転売買一覧表」という。)のとおりいわゆる乗換え(ある株式を処分して、同代金をもって、新たに株式を購入し、その際、不足金が出れば、追加でお金を出す)が多かったこともあって、信用取引を始めるまでに三回(七月二五日・一三四万六六九四円、八月二日・二二四万六四八六円、八月五日・一〇〇万〇〇〇五円)、それ以降も三回(一二月一九日、同月二六日・各一〇〇万円、翌平成元年一一月二八日・二〇万円)に止まる(乙一五)。

右入出金の差額は、五四九九万六〇四三円である。

なお、原告の本件取引における入出金は、別紙原告の入出金表(以下「入出金表」という。)のとおりである。

二  本件取引について

本件取引の回数は、現物・信用取引をあわせて一一〇回(但し、現引による買い取りは算入していない。)にのぼり、その内、Bが担当していた昭和六三年五月二五日から平成元年五月一二日までの三五四日の間には、売り・買いをあわせて九三回にものぼる取引が行われている。その取引もその当初から一〇〇〇万円を超える取引が頻繁に行われるなど、個人のそれまで未経験の者の株式投資としては、高額なものとなっている。そのうえ、Bが右担当した取引のうち、いわゆる乗換えによるものが回転売買一覧表からも明らかなとおり、その大半を占め、その内同一銘柄による乗換えが三回もある(なお、三菱製鋼の八月一七日の売りと同月一八日の買いも含む。)。

三  過当取引について

1(1)  一般に株式投資は、投資者の責任と判断において行うべきであるが、株式における価格の変動要因は、極めて複雑であって、その投資判断には高度の分析と総合能力とを要する。そのため、一般の投資家は、その判断にあたって、専門家である証券会社ないしその担当者の勧誘ないし助言・指導に依存していることが多い。したがって、証券会社ないしその従業員は、顧客の投資勧誘に際し、顧客の投資経験、投資目的、資力などを慎重に勘案して、その意向と実情に適合した取引が行われるよう努めなければならず、特に株式投資の知識、経験の乏しい投資家に対しては、特に慎重に配慮して行わなければならない(投資者本位通達1(1)ないし(3)・甲五の4、四〇)。また、顧客に対して情報を提供をする場合には、投資者に判断を誤らせることがないよう配慮し、個別の銘柄を紹介する場合は、恣意的に、また、過度に主観的な表示を行ってはならない(甲五の4、四二)。

(2)  ところで、原告は、自発的に株式取引をしようと思い、本件取引を行うにいたったものであるが、同取引をするまで株式取引の経験がなかった。また、本件取引の間には、即答を避けるため妻に相談する旨(甲二六の九月六日欄)、また、購入株式の価格がどんどん下がった場合、どうしてこうなるのか、造船不況なのに石川島播磨株を購入しても大丈夫なのかなどの苦情を言ったり、また、自己の意思で川崎製鉄株の売りを申し出て売ったりした(昭和六三年一二月二六日の分)こともあった。しかし、原告は、従兄弟の××から紹介を受けたBが被告枚方支店の営業課長で、遠い姻戚関係にあって、終始、少なくとも、自己に悪くすることはないとの認識を抱いていたこと、そして、本件取引の右二で述べた状況(原告は、本件取引まで株式取引の経験がなく、個人投資であること、そして、同取引の売り・買いの回数、信用・現物の回数、乗換えの回数、割合、取引金額-一回の金額も含めて-など)及び本件取引が主としてBら被告の従業員が原告に対し、具体的銘柄を挙げてその勧誘を行ない、それを受けて同取引が行われたものであることからすれば、本件取引のうちBの関与した分(同取引の最初から翌平成元年五月一二日までの分)については、少なくとも、同人の勧誘ないし助言・指導に依存する度合いが極めて強かったものと推認され、それを覆すに足りる証拠はない。

原告は、昭和六三年九月七日分の三菱製鋼株五〇〇〇株分の売りについて、自己の意思に反してBの勧誘により売らされたとの思いを持ち(甲二六の同日欄)、また、同年一〇月一二日の三菱石油から三菱製鋼への乗換えについても妻に反対されたがBの勧誘に従った処理をしている(甲二六の同日欄)ところ、右事実は、Bの勧誘に原告が強く依存していたことを裏付ける。

顧客の担当者ないし証券会社に対する右のような依存度が高ければ、高い程、担当者らは、顧客の株式投資に対する適合性について、より慎重な配慮をしてしかるべき注意義務がある。

(3)  ところで、Bは、原告の本件取引において、同人に損害を被らせようと意図したこと、そして、被告の手数料収入をあげるための目的を主目的としていたことは本件の証拠をもっても窺えず、かえって、原告に利益をあげて貰えるよう意図して行動したことが窺える(証人B)。

しかし、それまで株式取引に経験のない個人投資家であった原告にとって右二で述べた本件取引の状況(原告は、本件取引まで株式取引の経験がなく、個人投資であること、そして、同取引の売り・買いの回数、信用・現物の回数、乗換えの回数、割合、取引金額-一回の金額も含めて-など)は、過度に過ぎるうえ、Bの勧誘ないし助言・指導に依存する度合いが極めて強かった原告の状況からすれば、同取引の内、Bが関与した範囲において、過度の投資勧誘による取引として違法と解するのが相当である。

2  ところで、本件取引のうち、Cが関与した分であるが、原告が購入した株式は、東洋リノリューム、大京、北恵、ハマダ印刷、檜不動産、ダイフク(転換)とそれまで取引をした一部上場の名前の通っている株式とは相違し、あまり聞きなれない銘柄のものであった。しかし、原告は、Cが関与した際、元を取るなら信用取引をしないといけないと言われたが、信用取引は嫌だと断っていること(原告調書②四五項)、また、Cに対し、積極的に大同特殊鋼の売りを申し入れていること(甲二七の四月二日欄、原告調書②四九項)、そして、被告の枚方支店に電話を入れて信用取引をした株の決済を積極的に申し入れていること(甲二七の四月二〇日欄、原告調書②五三、五四項)からすると、少なくとも、Cに対しては、親戚という意味での気がねもなく、自己の意思を積極的に述べていることが窺われる。

右のような事情にCが関与した際の原告の取引状況からすれば、違法な過度の勧誘がCからなされたと認めることができず、その他、それを認めるに足りる証拠はない。

四  推奨販売について

1  健全性省令三条六、七号、投資者本位通達1(1)、投資勧誘規則七条二項によれば、自社の営業方針に基づき特定少数の銘柄を一律集中的に推奨する方法により、株式の売買取引において公正な価格形勢を損なう行為をしてはならないと規定されているところ、それは、一般的に投資家を保護するために定められたものではあるが、本来は、いわゆる行政取締法規であって、それに違反したからといって、直ちに顧客との関係においても違法、無効となるわけではない。しかし、右各規定が投資家を保護するためのものという趣旨からすれば、右定めに反して社会的相当性を逸脱する程度に達した行為については、取引としての相当性を欠き、違法と解するのが相当である。

2  被告は、東京ウォーターフロント計画関連で再開発が予定されていたことから、それに関連する企業の株式を推奨していたものである(甲二八、四三の1、2)ところ、Bも当時、同計画関連の株式である三菱製鋼株、石川島播磨株の購入を原告に勧誘した。三菱製鋼株の勧誘に当たっては、原告に対してそれが東京ウォーターフロント計画関連で再開発の注目が集まっていたこと、そして、含み資産が多く、その業績も回復していることなどの説明をしている。しかし、被告が東京ウォーターフロント計画関連する企業の株式を推奨したことによって、直ちに、株式取引において公正な価格形成を損なっていたとまで認めるに足りる証拠はなく、また、それが社会的相当性を逸脱していたと認めるに足りる証拠もない。

3  ところで、Bの原告に対する右東京ウォータフロント計画関連の企業の株式の推奨は、Bが担当した部分のうちかなり大きな部分を占めているところ、やや偏りがあるように思われるが違法とまで認めることができず、その他、その勧誘につき、違法とまで認めるに足りる証拠はない。

五  信用取引の説明不足について

原告は、原告が信用取引を始めるにあたって、Bは、同取引の危険性について説明をしていない旨主張し、その本人尋問の中でそれに副う供述をする(原告調書①六四ないし六七項・七二項)。しかし、仮に原告が供述するとおりであれば、事後において信用取引をした際、何らかの苦情や異議を述べると思われるのに、以下に述べるとおり、そのような事情がなく、したがって、同供述をもって直ちに右主張を認めることができず、その他、右主張を認めるに足りる証拠はない。かえって、Bが原告に対し、信用取引を行うことを勧誘した際、「信用取引のしおり」(乙一八)と題するパンフレット(なお、それには、信用取引の仕組み、ルールなどが大きな字でその骨子のみがわかりやすく記載されている)とともに、信用取引口座設定約諾書を送付したこと、他方、原告は、Bの勧誘もあって、被告において信用取引を行うことを充分認識し(甲二六の八月一七日欄)、同月一七日、同約諾書に署名捺印をしたうえ、被告に同書面(乙三)を返送し、その後信用取引を何度も行い、それについて、その内容を確認して何らの異議を止めることもなく自己の署名捺印をした回答書を被告に返送していることを総合すると、原告は、信用取引の仕組みや内容についての認識を持っていることが推認されるところ、それに証人Bの証言を総合すると、少なくともBは、信用取引について説明をしていることが窺われる。

七  無断売買・事後承諾の押し付けについて

1  原告は、本件取引において、Bが原告に事後承諾を強いたり、また、無断売買等の違法な行為を行った、特に一一月七日から一三日までの原告が高知に行っていた際の取引が無断売買であったことが明らかである旨主張し、その本人尋問の中で「その間、高知からBに電話していない。」旨同主張に副う供述する(原告調書①九一ないし九五項、同調書⑤一八三項、二〇九ないし二一二項、二二三ないし二三〇項、二三七ないし二四二項、二五一、二五二項)。

2(1)  しかし、原告の右本人尋問における右供述部分は、原告代理人の電話をしていないことないしそれを前提とする一定の答えを前提とした質問に答えたものがほとんどである。しかも、仮に、原告が主張するとおり、原告が高知に行っていた際の原告名義の株式の取引について、Bが原告に無断で執行していたとすると、その間の取引は、弟の突然の死亡による葬式という特殊事情があった間になされたもので、少なくとも、原告からBに電話をしたかどうか明確に記憶しているのが通常と思われるのに、被告代理人の質問に対しては、「その間に、電話をしたかどうか、記憶がない。」旨(原告調書④一六八、一七〇項)、また、「電話をしたかもしれない。」旨(原告調書④一六六、一七一、一七四項)曖昧な供述をする。

また、原告は、平成五年二月二五日付け準備書面添付の被告会社による株の転がし状況一覧表には、一一月八日、一〇日、一一日の取引についてBから勧誘されたことを前提として表を作成しているところ、同表の作成に当たっては、原告代理人が原告から事情を聞いて作成されたものである(原告調書⑤一二六ないし一二八項)。仮にそれが、原告がその尋問の中で供述するとおり原告の日記の記載を前提として聞かれていなかったとしても、原告においては、弟の死亡年月日については、記憶に残っているはずであるし、その間に無断の売買があったのであれば、特に記憶に残るはずであるから、右表作成時のようなやり取りはなされないものと考えられる。

そして、原告は、右高知滞在中になされた右取引についても、その内容を月次報告書(乙一六、一七の各1)で認識しているにもかかわらず、何らの異議を止めることもなく署名捺印をしたうえ回答書(乙一六、一七の各2)を被告に返送している。

(2)  右のような事情からすれば、原告の右主張に副う原告本人尋問部分は、直ちに採用しがたく、その他、右主張を認めるに足りる証拠はない。

かえって、右(1)で述べた事情からすれば、原告が高知からBに電話をしたことが窺われる。

3  原告は、原告の高知滞在中の取引以外にも、昭和六三年八月一八日、二二日、九月七日の取引などについても無断取引である旨主張する。仮に、原告が主張するとおりBが無断取引でその取引をしていたとすると、少なくともBに対し、何んらかの苦情を同人に言ったりすると思われるのに、そのようなことをしたと認めるに足りる証拠もなく、また、原告の日記に書き留めたりすると思われるのに、日記にはその点に関する何らの記載もない。

そうすると、原告の高知滞在中以外の右主張もそれを認めることができない。

4  原告は、無断取引の他、Bが原告に事後承諾を強いた旨主張する。しかし、原告は、事後承諾の点についても、原告からBに対し、何んらかの苦情を同人に言ったと認めるに足りる証拠もなく、また、原告の右日記にもその記載がない。しかも、原告は、本件取引について被告から取引報告書、月次報告書が送付を受け、各取引について十分認識していたのに、何らの異議を止めることもなく署名捺印をしたうえ回答書を被告に返送しているところ、以上の事情からすると、原告の右主張は、直ちに認めがたい。その他、同主張を認めるに足りる証拠はない。

八  一任売買について

1  原告は、最初の三菱重工株の取引のみが発意に基づくものであって、それ以外は、B、Cらの一任売買であって、それは、同人らに押し付けられたものである旨主張する。

2(1)  一任売買は、業者(担当者を含む)が顧客から、売買の別、銘柄の種類、価格、数量などの決定を一任され、顧客の計算で行う売買をいう(投資勧誘規則-甲五の3-九条)ところ、それは、届けなど一定の要件を具備して行うことが要請されている(同規則九条、投資者本位通達4イ)が、仮に、それに違反したからといって直ちに顧客との関係において直ちに違法とならないことは前に述べたとおりであるが、個々具体的な顧客との関係において一任売買の約束をして取引を行うことが社会的相当性を逸脱した場合は、違法となるものと解するを相当とする。

(2)  ところで、顧客の発意以外の取引が全て一任売買となるものでなく、担当者において勧誘し、顧客がそれを了解して株式などを購入することが是認されることは言うまでもない。本件取引においては、原告がBの勧誘・助言・指導に依存していたことは前に述べたとおりであるが、原告においても株式の価格や相場の状況について新聞やテレビなどで情報を収集していたものであって、しかも、Bと原告との間ではBが関与していた間は、電話のやり取りが頻繁になされ、その間、両者の間でやり取りがあったこと、そして、右判断したとおり無断売買や事後承諾を認めるに足りる証拠もないことからすると、本件取引のうちBが関与した取引が右一任売買と直ちに認めることができず、その他、Bが関与した取引について、一任売買と認めるに足りる証拠はない。

また、本件取引のうち、Cが関与した取引であるが、それについても、一任売買と直ちに認めるに足りる証拠はない。かえって、原告は、Cに対しては、前に述べたとおりCからの勧誘などに対して積極的に自己の考えなども述べていたことからすれば、一任売買でなかったことが窺われる。

九  断定的判断の提供について

1  原告は、Bら被告の外務員が原作の多数回にわたる株式の買い付けの勧誘において、繰り返し値上がり確実との断定的判断を提供した旨主張し、原告は、その尋問の中でそれに副う供述をする。

2(1)  法五〇条一項一号において、証券会社又はその役員もしくは使用人は、株式を含む有価証券の売買などの取引に関し、価格などが動きについて断定的判断の提供をしてはならない旨規定されているが、仮にそれに違反したからといって直ちに顧客との関係において直ちに違法とならないことは前に述べたとおりであるが、個々具体的な顧客との関係において断定的判断の提供をして取引を行うことが社会的相当性を逸脱した場合は、違法となるものと解するを相当とする。

(2)  本件取引においては、原告がBの勧誘・助言・指導に依存していたことは前に述べたとおりであるところ、右事実からすれば、Bから原告に対して、その勧誘に際して断定的判断の提供をしたことが窺われる。しかし、原告は、本件取引を始めた以降、株式の価格や相場の状況について新聞やテレビなどで情報を収集し、自らの考えも抱いていたものであって、しかも、Bと原告との間ではBが関与していた間は、電話のやり取りが頻繁になされ、その間、両者の間でやり取りがあったこと、そして、原告が最終準備書面ともいうべき平成七年五月一五日付けのそれの中で、本件取引について断定的判断の提供により成立した旨指摘したものがないことを総合すると、本件取引のうちBが関与した取引が右断定的判断の提供によるものと直ちに認めることができず、その他、Bが関与した取引について、それによる取引と認めるに足りる証拠はない。

また、本件取引のうち、Cが関与した取引であるが、それについても、断定的判断の提供による取引と直ちに認めるに足りる証拠はない。

一〇  損害について

1  本件取引のうちB関与分について前に述べたとおり違法性が認められるところ、同範囲内で原告に生じた損害は、入出金表に基づいて計算すると、以下のとおり五三二〇万五一二〇円となる。

六一八四万八九五六円-七五万二八三一円-一二九万七七五三円(C関与分の手数料合計)-〔六八五万二九一三円-五万九七三三円-二〇万円〕=五三二〇万五二一〇円

2  ところで、原告が被った右損害については、原告自身にも多大な寄与があるというべきである。すなわち、Bの勧誘・指導などに依存していたとはいえ、本件取引は、B関与分についても原告が自己自身が把握した株価の動向などから拒絶しようと思えば可能なものであったのに安易にその取引を継続したうえ、それが、自己の利益の追及を意図してなされた行為であって、原告の側の落ち度の度合いが大きいこと、他方、Bの行為には、前に述べたとおりの過失、違法性が認められるが、過失、違法性の程度は、それほど高いとはいえない。右のような事情を総合すると、過失相殺として右損害額から八割を減じた一〇六四万一〇四二円をもって、原告が被告から賠償を受けるべき金額とするのが相当である。

3  また、弁護士費用に相当する損害であるが、本件の事案の内容、審理の経過並びに右に判示した過失相殺の程度及び認容額に照らし合わせると、一〇〇万円の限度で相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。

一一  原告の不当利得を理由とする請求であるが、原告の損失は、本件取引に基づくものであって、他方、被告の利得(手数料部分。それ以外は、利得の存在が認めがたい。)は、同取引の手数料であって同取引が少なくとも有効と解される以上、不当な利得とは認めがたい。

一二  ところで、原告は、本件において文書提出命令の申立てをする(平成七年モ第二七一五号)。同申立てによって証すべき事実として、被告が原告からの売却指示等に反して、適正に売買の取次ぎを行わず、問屋としての善管注意義務に違反する事実をあげるところ、原告が本件訴訟で、その請求原因としてあげる違法な事実として原告からの売却指示違反がなく、その他、右請求原因事実との関連性でそれを必要と認めるべき事由がない。

したがって、右申立ては、理由がない。

一三  以上の次第で、原告の請求は、金一一六四万一〇四二円及びうち金一〇六四万一〇四二円に対する不法行為後である平成二年一二月二六日から支払い済みまで年五分の割合による金員の支払いを求める限度で理由があるから、その限度で認容することとし、その余は、理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担について、民事訴訟法八九条、九二条を、仮執行宣言について、同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 中村哲)

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